最終日、賛成討論に立ちました。

第4回市会定例会が終了しました。今回は中期4か年計画(2022-2025)の特別委員会があり、中身の濃い定例会で、最終日の今日、会派を代表して賛成討論に立ちました。「賛成」と言いながらも、改めての要望を述べました。少し長くなりますが、討論の内容を全て載せますので、ご覧ください。また、横浜市会HPでも録画中継がご覧いただけます。

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立憲民主党会派を代表いたしまして、今定例会に上程されております次の議案について賛成の立場で討論をさせていただきます。

まず最初に、市第94号議案令和4年度横浜市一般会計補正予算(6号)について述べます。

物価の上昇が止まりません。原油高、原料高に加えて円安による影響が大きく、生活に直結する食品や日用品の物価上昇が大きい一方、賃金の上昇はごくわずかなため、実質賃金は下がり続け、市民の暮らしを圧迫しています。今回示された補正予算を含めて、この一年間は原油価格物価高騰対策に繰り返し補正予算を組んで市民事業者の皆様の暮らしと安全を守ってきました。私は地域の方と子ども食堂の運営をして7年になります。こどもの居場所の安定運営のために光熱水費・食材費の高騰に支援が行われるこの補正予算は、それぞれの地域で自主的に活動している方々にとっては、とても心強いものだと思います。    物価上昇は来春にもピークを迎えるといわれており、ロシアのウクライナ侵略の長期化による原油など、エネルギー価格の上昇等でインフレが定着するとみられています。今後も、影響を受けている事業者への直接給付施策の実施、収益力改善や事業再生を促す支援の継続拡充を要望します。

さらに、この一年間も新型コロナウイルス感染症は、第6波、7波と感染拡大を繰り返し、現在第8波の中に入っています。コロナ対策については、6,7波の反省に立って8波対策が示されました。そのための補正予算については着実に事業を進めていただきたいと思います。また、市長からは、市民に直接メッセージを出されました。感染拡大を防ぐには、市民の皆様お一人お一人の感染対策が必要なことは当然ですが、各自抗原検査キット2セット準備をお願いすることは、低所得家庭にとっては厳しいところだと考えています。ですので、診療体制の強化は低所得家庭にとっては必要です。年末年始も含めての診療体制を医師会の皆様にご協力いただき、しっかりと整えていただきますよう要望します。

つぎに、第58号議案横浜市地球温暖化対策実行計画の策定について述べます。12月12日に環境省副大臣が横浜を訪れ、地区全体でC02削減をめざす横浜・みなとみらい21地区の取り組みを視察され、「日本全体の脱炭素都市部のモデルになってほしい」と期待の言葉を述べられました。横浜市だけでなく企業や地域の努力にも言及されたことは今後の取り組みの大きな励みになるところです。

私ども会派は、地球温暖化対策のさらなる強化のためには実行計画が必要でありこの議案には賛成です。

一方、「ゼロエミッションを実現する会・横浜」の皆様と意見交換を行いました。2030年、2050年に生きる若い皆さんが、まさに自分事として脱炭素社会の実現に向けてこの実行計画にも大いに注目をしていただいています。横浜市の温暖化対策実行計画案にある温室効果ガス削減見込み量が過小であり、再エネ導入などの目標も消極的であり、計画改定プロセスへの市民参画もないと厳しいご意見が寄せられ、引き続きの議論を求められました。さらに、2030年までに右肩下がりに温室効果ガス排出削減を行っていては、2050年排出実質ゼロの実現が難しいので、2030年に向けてはできるだけ早期に2013年度比50%削減を実行する取組みが必要だというご意見をいただきました。

この実行計画の進捗管理については、計画の進捗状況や地球温暖化対策を取り巻く国内外の状況等を踏まえ、適宜計画の見直しを図る旨記載されています。中期計画原案にも戦略の一つに位置付けられていることもあり、PDCAの中で、市民の皆様のお声にもしっかりと耳を傾けて、早期目標達成に向け、そして50%より高い実績を残せるようより一層積極的に進めていただくことを要望いたします。

○中期計画

次第59号議案横浜市中期計画2022-2025の策定について述べます。

横浜が子育てしたいまち、次世代を共にはぐくむまちヨコハマを基本戦略に据えて歩みだすことは、おおいに評価をします。小児医療費完全無償化事業が令和5年度中にスタートすることは、立憲民主党が、毎年予算要望し、段階的に拡大してきた事業内容が、いよいよ所得制限なしでスタートすることとなり大変歓迎しています。周辺市町にも影響を与え、神奈川県も助成を拡大することが決まりました。まずは早期の事業スタートと、県の助成増額分を見込みながらさらなる助成拡大についても検討を始めていただくよう要望いたします。

国のこども家庭庁のスタートを注視しながら、全国一律の子育て環境整備について要望を強めていただきたいです。また、貧困家庭やひとり親家庭など困難な状況にあるご家庭へのきめ細やかな支援を区役所等を通じて充実を図っていただきたく事をあわせて要望いたします。

子育て支援の最前線である幼稚園保育所での、幼児へのいじめ虐待、通園バスや公園への置き去り等の事件が報道されています。そこで働く方々のストレス・緊張の高まりを感じます。人にかかわる仕事につく方々は高い倫理観を持ちやりがいを感じている一方、命を預かるので精神的、肉体的に大変な仕事であることからより一層ストレスを感じています。家庭とともに園施設や働く人々への支援も重要と考えます。人材確保とともに、保育士の相談窓口設置の周知っ徹底・拡大などハードソフト両面での支援の充実が必要と考えます。

次に中学校給食について述べます。

市長は就任以来、全員に中学校給食を届けることを目指して、スピード感を持って検討し、本市会で令和8年度から全員喫食の中学校給食の実現を目指す方向性を示しました。これは横浜市民が長年に渡り望んできたものであり、子どもの成長のためにも、また子育てしやすい街づくりという視点からも大変大きな意味を持つものです。

この間、「すべての生徒が満足できる中学校給食の実現」についての様々な議論が積み重ねられました。私は今期こども青少年教育常任委員会の委員長を務めている中でその議論を伺っていると、議員皆様が生徒や保護者のことを中心に据え議論が続いてきたと感じています。そのうえで、私ども会派は、デリバリー方式での中学校給食をスタートさせることに賛成します。

私たちは、視察や実食を重ねてきた中で、デリバリー方式を実施する上で、事業者との長期契約、さらなるメニューの工夫や温かさの追求、学校での安全な受け渡し等々課題もあることを確認いたしました。

そのうえで、繰り返し令和8年度までに喫食率をさらに上げることと、令和8年度以降も生徒保護者、学校現場の声に真摯に耳を傾けてより満足度の高い給食を追求すべきと訴えてまいりました。市長・教育長からは、この訴えを受け止め、「様々な課題について、令和8年度までに解決に向けて取り組んでいく。令和8年はゴールではなく新たなスタート。常に改善に取り組んでいく。」との答弁を得たことに、大きな期待を寄せています。

1月・2月には市内のトップスポーツチームと連携した食育動画の作成やコラボメニューの提供など、横浜市ならではの取組を進めていると伺っています。こうした取組もぜひ継続・拡充してもらいたいと思います。献立表裏面の給食タイムズでは、1月は和食の基本となるうまみの秘密、2月は寒い地方の郷土料理で寒さに負けない食事の工夫として姉妹都市ウクライナのオデーサ市の料理が紹介提供されます。さかのぼれば、工場で実際に調理している様子や、生産者さんの紹介があり食育の一助になる内容が記載されていました。全員喫食の実現は、この食育の観点で非常に大きな意義があります。

平成17年に制定された食育基本法において、「食育」は生きる上での基本とされており、時代が変化する中で、食への関心を高め、食の重要性への理解を深めるため、食育を推進することが求められているところです。

本市の中学校給食の歴史は浅く、中学校での食育を更に進める必要があります。現在は小学校に配置されている栄養教諭を中心に、小中ブロックを基本とした食育推進ネットワークを作って食育を進めていると伺っています。しかしながら、まだまだ栄養教諭の人数が足りず、全中学校でネットワークを作ることができていません。給食が全員喫食となるこの契機をチャンスと捉え、食育推進ネットワークを拡充し、小学校で蓄積されたノウハウを発展させながら、中学校での食育を一層進めてほしいと思います。

令和8年度までの長いようで短い3年余りを有効活用していただき、全ての生徒が満足できる給食の実現に向けて、着実に準備を進めていただきたいと思います。

つぎに住民自治の充実について指摘をさせて頂きます。

住民自治は、市民が市の政策を決定していく主権者としての権利をいかに行使できるか、主権在民をいかに担保できるかが問われていますが、残念ながら、今般の中期計画にある住民自治の充実とした中身は、財源や行政サービス体制など、いわば市行政が主体であるものに留まっており、主権者としての権利を担保する本来の意味での住民自治充実のための施策としては不十分なものであると指摘せざるを得ません。

特別委員会において、この点について我が会派から市長に質問致しましたが、残念ながら市長のご答弁は、林文子前市長時代の答弁のままであり、カジノIR誘致推進のプロセスで浮き彫りとなった民意をなおざりにする住民自治をめぐる横浜市の問題点を解決し得るものとは到底捉えることの出来ないものでした。

横浜市は多くの市民が反対するなかでカジノIR誘致に邁進してしまいました。これが民意に基づいたものでなかったことを、山中市長の当選が証明したのです。横浜市が進めた政策と真逆の答えが市民によって出されたことにより、従来の広聴や間接民主制の体制だけでは、民意を的確に市が把握できない事実に横浜市は直面したのです。民意に基づく市政を展開できるよう、あらたな住民自治のありかたについて、全力で取り組む必要があります。

とくに、住民投票によって市民の意思で決めるべきとの声を一蹴した林前市長による「住民投票を実施することには意義を見出しがたい」とする住民投票条例案に付された意見、および、議会による否決は、問題の根本であり、住民投票を否定された市民の落胆には計り知れないものがありました。市民の声を聴こうとしない行政を変えたいとの市民の切なる期待が、山中市長の誕生につながっています。このことを十分に踏まえて、カジノIR誘致撤回を実現した市民の努力と労苦にどうか思いをはせて頂き、的確に民意に基づく市政が展開されるよう、常設型住民投票条例の制定など真の住民自治の充実に向けた具体的な取り組みを今後明示していただくよう、強く要請を致します。

最後に、「横浜市中期計画2022~2025(原案)」について、いくつかの課題につきましては、本会議や基本計画特別委員会において、市長から課題に向き合い改善に取り組む発言が十分なされておりますし、局長他当局の皆さんとも分科会での議論を通じて今後の取組に言及され、課題の共有を行ってきました。付帯意見につきましては、我が会派からの質問や意見、それに対する市長や当局からの答弁や、原案の方向性、従来からの取り組みと同じ内容であり、中期計画を補強するものであるととらえ、賛成をいたします。

私ども立憲民主党は、今後続くであろう原油高・物価高、コロナ感染拡大の喫緊の課題について丁寧に市民、事業者の皆様の声を伺い、安心安全な生活と市内経済の回復のために、行政当局とも議論を重ねてまいります。そして、中期4か年計画の着実な実行と将来の横浜を見据えた提言を続けていくことを申し述べて、討論を終わります。