岸部県議にお声かけいただき、辻堂にある社会的養護施設退所児童等アフターケア事業所「あすなろサポートステーション」に伺いました。江ノ島が望める明るい場所で、穏やかに迎えてくださった職員の方から聞く話は、社会的養護が必要な若者が「生きる」ことの厳しさです。「自立するということは、頼れる場所を持つということ」という言葉が残りました。
社会的養護施設を退所者が直面する困難の一つは、職場や友人親恋人との「対人関係」です。依存や暴力・孤立などの状態はすぐに二つ目の困難「生活困窮」に繋がります。就労と失業、住居の不定、金銭の管理やそもそも生活習慣が確立されていないことや低学歴・低学力。三つ目の困難が「健康問題」です。病気・妊娠、精神の不安定、セルフケアが根付いてないなどの困難さが見られます。文字で書けばするすると書いてしまいますが、一人ひとりの毎日にとってどれだけ過酷なことでしょう。その背景にあるのは、頼れる人がいない、虐待の影響、自己肯定感の低さ、早い年齢での自立があります。虐待などない家庭で育った人でも、学校が終わりすぐに自立することは不安で困難なことがいっぱいあるのですから、山ほど困難を抱えて社会に出て、仕事を見つけた、住居があるということで自立したと簡単に言えないということはすぐにわかります。
そこをサポートできるところは本当に少ないです。このあすなろサポートステーションでは、退所者が訪れて、夕食などを食べたり、2階でゆっくり過ごしたりするのですが、「楽しい場所」にはしないように気を付けているそうです。自宅に戻った時に孤独がより深くなり、自死を選ぶ人がいるからだとか…やってきて相談があれば聞く、いつもと同じように食事をすることが大事だそうです。
こうした時々訪れる場所と、もう一つ必要なのはステップハウスです。ひとりで生活を始めていくための練習場所で本当の自立までは長い見守りが必要です。それは、子どもが過ごした養護施設にも、退所年齢を過ぎても生活をしていく支援を行う場所をつくれるといいという話も聞きました。。
あすなろサポートステーション (shonan-tsubasa.com)