里親フォスタリング事業

弥生台駅前から久しぶりに3人揃っての朝のご挨拶ができました。

これまで児童心理治療施設いずみ学園や、施設を出た後の就労支援を行うフェアスタート、社会的養護施設退所児童等アフターケア事業所「あすなろサポートステーション」を視察してきました。今日は、横浜市の委託を受け里親フォスタリング機関「さくらみらい」を視察し、里親になるまでの過程や、里親になれない壁や、行政ではなく民間だからこそ担える部分について詳しくご説明いただきました。

フォスタリング機関とは、(1)里親のリクルート、(2)法定研修等の実施、(3)啓発活動の実施、(4)里親家庭への相談支援活動等、を行う機関です。従来は児童相談所で行われていた業務を民間事業者に委託し、委託された事業者が包括的な支援を行います。里親目線での支援を充実させ、児相ではできない、一貫し継続した質の高い里親養育の実現し、子どもたちの最善の利益の追求・実現が目的とされています。さくらみらいは横浜市からの委託を受け2023年9月から業務をスタートし、この間児童相談所の業務を引き継ぎながら、フォスタリング機関としての業務を進められています。

まず最初に、どうやって里親認定をしていくのかということを尋ねました。実際に里親に認定されるには、説明会への参加の後、複数回の面接、法定研修、家庭訪問、施設等での2日間の体験などを経たうえで、里親審議会にて審議され、審議員全員の賛成が得られると、晴れて里親に認定されるという流れになります。概ね1年程度はかかるそうです。様々な背景、課題を抱えた子どもたちを預かっていただく大切な仕事であり、その分、丁寧な審査プロセスが設けられています。また、里親になったからと言ってすべて順調に生活が送れるわけではありません。里親会においては毎月、児童相談所4エリアにおいてピアサポートの「里親サロン」が開催されていて、実子のいる里親同士の集まりや、里子の不登校に悩む里親の集まり、シングルの里親の集まり、外国につながる子どもの里親同士の集まりなどが設けられているということでした。フォスタリング機関においても、「ミニサロン」としてピアサポートを実施する計画ということでした。ただでさえ里親の絶対数が少ないなかで、同じような境遇にある人を探すのも大変でしょうから、状況を共有しあい、相談しあえる環境は重要だと考えます。

施設だけではなく里親のもとで養育を受ける流れをつくろうと国は動いています。うまくいかなければ施設に戻すという生半可なことでは、子どもの心は重ねて傷ついてしまいます。専門的な知見や資格を持つ人と行政がつながりながら、課題を共有して解決の道を見つけていくことの必要性を感じながら、学ぶことができました。