二日目は札幌市男女共同参画センターに行き、困難を抱える若年女性支援事業「LiNK(リンク)を学びました。
札幌市からはこども未来局課長、LiNK事業委託先のさっぽろ青少年女性活動協会センター長、さらに連携して事業を実施するNPO法人CANの相談員、そして男女共同参画センターの方が対応してくださいました。
事業の全体像 こども未来局より
札幌市では令和元年6月2歳女子が実母交際相手の虐待で死亡する事件が起こりました。第三者機関で検証した結果、支援に関わった機関や関わりの整理が必要であることと、行政の協働連携の不足しており、実母の困難性に対応できていなかったと結論が出されました。もともと手薄であった若年女性の支援制度が必要ということで、LiNKがスタートし、さらに、NPO法人CANとの連携も始まりました。
ネットワークが大事
私は、困難女性支援法ができ、横浜市がこの法律をどう具体的な計画に落とし込んでいくかというときに肝になるのは、行政と支援する事業者やNPOがどれだけ連携できるかにあると伝えてきています。それを、札幌市ではやっていました。コロナ禍で支援女性の情報共有が必要となり「Cloudy」 という女性支援ネットワークがどんどんと広がり繋がりました。(上記資料左側注目)食糧支援をするグループなどもありますがそれぞれが小さな団体で人も少ないのが現状です。月に1度でも集まることでの情報交換は大事だといいますが、活動に対する謝金の出し方などが課題だそうです。
アウトリーチがすごい
若年女性調査から、相談しない実態がわかり、相談できる場所はたくさんあるが知らない、その後を支える人がいないということがわかり、アウトリーチの支援が重要になります。そこで、繁華街の夜回り、LINE、Xパトロール#検索メッセージの送信、SNSによる相談等様々な方法手段で行っています。なるべき相談のハードルを低く抵抗感を減らすかが大事です。それでも相談に来られない若者の孤独感を感じるといわれました。
相談につながったあとの支援と課題
相談につながった場合、次の居場所が必要になることが多いようです。CANでは中期的な居場所を提供しています。タブレットなどが使えることで入所しやすくまずはのんびりしながら次の相談にも対応できる場所です。場合によっては秘匿性の高い居場所が必要な場合もありますので、後悔はされていませんが、準備がされています。そして、自立支援計画が検討されますが、自立に向けてはさらにたくさんの連携が必要になるし、息の長い支援が必要です。
支援活動から見えてくる課題も聞かせていただきました。
困難若者、大学生.専門学校生の支援をしていると、大学に通っていることで生活保護を受けられない状況があり、卒業できるまでの生活費、学費を稼ぐことは大変で、家を出ることで学業を諦めなければならないのが現実です。学生シェルターや公営住宅の開放を行ってほしいというご意見をいただきました。
横浜市は今ある男女共同参画行動計画の見直しの際に困難女性支援についても盛り込んでいくとしています。札幌でいただいたご意見や課題を盛り込めるようにしてまいります。