監査委員は行政現場の視察を行います。今日はその初回で、軽井沢中学校の校内ハートフル事業を視察しました。
国では、誰一人取り残さない学びの保証に向けた不登校対策として校内教育支援センターの設置を促進し、不登校の児童生徒が学びたいと思った時に学べる環境を整えるプランを示しました。横浜市では、令和2年からこれを具体化した「校内ハートフル」といういわゆる不登校児童生徒の居場所をまさに学校内に設置をしました。当時は8校でしたが、令和6年の当初は80校に増え、9月からは146校すべての中学校に設置されました。令和6年度の利用実績は2,361人です。横浜市では、学校外でハートフル事業を委託して行っていますが、生徒が通える場所が身近に必要ではないかということや、出目不登校が右肩上がりであることから、令和6年度には補正予算を付け、すべての学校で展開し、すべての学校に退職校長などのご協力で支援員を配置することになりました。
軽井沢中学校では、支援員にすべてを任せるのではなく、校内ハートフルの全時間割に職員を配置して全職員で共通理解を図り支援することとしています。多忙の中で常に職員を配置することはやはりかなり大変だということでした。一方で、いろいろな教職員が不登校について考えたり学んだりする機会にもなります。教室に入れない心の葛藤や、自尊心を育てるとはどういうことか、見守ることの根気等々。
教室は登校スペース(好きなことに取り組みながら社会的スキルを習得を支援する場)と、学習スペース(個人ブースで各自のレベルで各自のペースで学ぶ場)に分かれていました。ゲームなどがあったり、植物を育てたいという政tが管理している植木鉢があったり、パズルがあったりと自由な雰囲気もありながら、各自のスペースには先生と一緒に考えた過ごし方の目標なども掲示されていて、一人一人の選択を自分のペースで進めようとする様子も見られました。
学習の場では、オンライン学習でアプルを使って自分の学びたいことを選択して学んだり、教室とつないで授業を受けたりしています。
各学校で、それぞれの取り組みをしているのが現状だと思います。ぜひ、他校の取り組みを共有できる機会を増やし、教室に戻ることだけを目標にするのではなく、今ある児童生徒の状況をありのままに受け入れるという考えをしっかりと広げていただきたいと思います。