常任委員会(下水道・河川、水道、交通委員会)視察⑵

● 株式会社水みらい広島における水道事業の取組について
株式会社水みらい広島は、2012年9月に広島県と水・環境の総合事業会社「水ing」の共同出資・PPP(※)により生まれた企業であり、上下水道施設や付随施設の運転、維持管理など、水道事業全般を担っています。
広島県は、1965年に工業用水の供給を開始し、1974年からは市町に対し水道用水を供給している。また、水ingは、創業90年の水と環境に関するインフラ施設の設計・建設・保守・運転のパイオニアである。さらに、2019年3月より呉市上下水道局からの出資も加わり、当局の給水事業運営のノウハウを継承しています。
広島県内水道事業体の水道事業運営の実績、水ingの豊富な経験と民間企業としての特性を最大限に活かし、安心で良質な水の安定供給を基本に、施設の更新・最適化、運営の効率化、広域化の実現を目指している。また、国内外で成長を続ける水道企業体となるべく何事にも積極的に挑戦し、地域経済の発展・活性化に貢献しています。
同社では、複数の浄水場を一元的に監視制御する広域運転監視システムの構築や、スマートメータによる自動検針システムの維持管理業務をパートナー企業と協力して受注し、業務の効率化や省人化・高度化を図っています。これらの取り組みは事業のスムーズな運営に寄与すると同時に、施設の適切なメンテナンスで長寿命化を図るなど、水道事業の健全な運営に貢献しています。なお、水みらい広島のキャッチコピーである「HIROSHIMAから、水のみらいを創造する」は、デジタル技術等を活用し、国内外の水事業に革新をもたらすイノベーションカンパニーを目指すことを意味しています。
※PPP:Public Private Partnershipの略で、官民連携の意。

横浜市には、横浜市100%出資団体として株式会社横浜ウォーターがあります。国内外において横浜市が培った確かな上下水道事業運営ノウハウを活かし、現場に真摯に向き合い、 自治体・企業等とのパートナーシップを推進するとともに、マーケティングとイノベーションを進め、持続的かつ創造性豊かな「横浜ウォーターならでは」の上下水道事業サービスを提供しています。
それぞれの都市に同様の水関連会社を持っているところがあります。その出資率や役割はそれぞれで、簡単に比べられるものではありませんが、公共事業としてなければならない水事業をしっかりと展開することを基本に、他都市、海外への技術提供ができることは横浜の強みだと感じました。