つながり再構築に向けた地域支援の取り組み

市民活躍・地域コミュニティー活性化特別委員会では、地域における「つながり再構築」に向けた支援活動について、一般社団法人ソーシャルコーディネート神奈
川の手塚明美氏と、NPO法人まちカフェ大倉山みえるの鈴木千香子氏を招き、両氏の豊富な現場経験と具体的な事例をもとに、講演と質疑応答が行われました。
地域活動・市民活動の現状、NPO・中間支援組織の役割、持続可能な運営、行政・民間連携の課題と可能性など、多角的な視点から現状分析と提案がなされました。

手塚明美氏(ソーシャルコーディネート神奈川)からは、
1,地域活動・市民活動への意識と社会的背景について
• 内閣府や横浜市等の調査によれば、6割以上の市民が社会貢献意識を持つ。特に経済的ショックや災害時に意識が高まる傾向。
• 若い世代では「社会に役立つ仕事」を志向する人が増加。CSRやSBTなどの社会的価値を重視する就職観も広がっている。
• ただし、実際にボランティア等で行動する人は2割程度。意識と行動のギャップが政策課題。
2,NPO・中間支援組織の立ち位置と活動
 • NPO等は「第三セクター」として行政・企業・コミュニティの中間に位置し、柔 軟な連携や自律的な課題解決を担う存在。
 • 相談業務は「耳は4つ(2人1組)」で客観性・公平性を確保。
 • 伴走支援では「組織を支える17の視点」自己診断ツールを活用し、課題の可視化・解決を支援。
 • 行政との連携では「共同事業の公開性」や「中間支援組織の人材育成」が 重要課題。
3,地域資源活用・持続可能性への工夫
 • 団地の空き室活用による多世代交流スペース、福祉と産業の連携、大学・葬儀場等の民間インフラの防災活用など、柔軟な地域資源活用事例を紹介。
 • テーマ別セミナーや相談窓口の設置で、参加のハードルを下げ、多様な人材の活躍を促進。
 • 継続性の鍵は「自主自律の精神」と「信頼関係」。事業の引継ぎや解散も前向きに捉え、必要に応じてノウハウ・財産の移転をコーディネート。
との内容をお話しいただきました。

鈴木千香子氏(まちカフェ大倉山みえる)からは、
1,小規模拠点での多世代・多機能の居場所づくり
 • 空き家を活用した地域カフェ「ミエル」を中心に、乳幼児からシニアまでが集う多機能な居場所を運営。
 • LINEグループ等の緩やかなネットワークで約250人がつながり、コアメンバー20人がボランタリーに運営。
2,地域・行政・民間のネットワーク構築
 • 地域内外の支援団体・学校・行政・フードバンク等と連携し、困難家庭やヤングケアラー支援など多様な課題に対応。
 • 行政制度の「翻訳」や、困りごとへの伴走的支援が民間の強み。制度と現場の「間」を埋めるコーディネート機能が重要。
3,持続可能性・人材循環の工夫
 • 拠点運営の課題は家賃負担や場の確保。行政施設(地区センター等)の活用や、補助金・助成金の申請ノウハウ支援が必要。
 • ボランタリーな参加を促すため、「やりたいことをやれる場所」を用意し、若者・シニア・子育て世代が役割を持てる仕組みを重視。
 • 活動から独立・新団体設立も積極的に応援
との内容をお話しいただきました。

この講演のまとめとして、
・ 地域活動・市民活動は、社会的意識の高まりを背景に多様化・複雑化しており、NPO・中間支援組織が柔軟な連携・支援のハブとして重要な役割を担う。
• 持続可能な運営には、現場の主体性・多様な人材の参加・行政との信頼関係構築・柔軟な資源活用が不可欠。
• 行政は現場との「顔の見える関係」や場の提供、民間は制度の翻訳や伴走支援など、それぞれの強みを生かした連携が求められる。
• 解散・新団体設立・人材循環も前向きに捉え、地域の課題解決に柔軟に対応することが重要。
との点がありました。

両氏の経験と現場知見を今後の調査・政策検討に活かしていくのが、この委員会の役割と考えます。ありがとうございました。