トランプ2.0と世界 問われる日本の針路と2026年

共同通信のベテラン記者・太田氏による安全保障、核政策、国際情勢、そして日本の政局・外交をめぐる詳細な解説と、質疑応答を含む内容豊かな勁草塾年末講演会でした。核保有発言をめぐる報道倫理や国益への影響、米中関係、エストニア現地取材、トランプ政権の特徴、日本の政局動向、日中・台湾問題への見解が語っていただきました。

多岐にわたる講演の中で、いくつかをまとめておきます。

【核保有発言問題と報道の是非】
官邸幹部の「日本は核を保有すべき」とのオフレコ発言が報道されました。日本のオフレコルールは、発言者を明らかにしないというものであり、今回の発言の重みを重要視したメディアが発表したものであり、国民は知る権利がある。一方で、場合によっては発言が米国(特にトランプ政権)や中国に与える影響、日米同盟やNPT体制へのリスクを指摘されました。

【トランプ政権(2.0)の特徴とアメリカ政治】
トランプ政権の政策決定スタイルは、トップダウン、側近政治、インターエージェンシーの形骸化です。インターエージェンシーとは、複数の関係省庁がホワイトハウスを中心に政策調整を進め、国益全体を見据えながら熟議の末に政策を決めるプロセスです。こうした政策決定になっているのは、大統領令の乱発、裏切り者への厳罰、専門家の排除などからよく見えるところです。関税政策の危険性や良い国内の分断が図られていることが事象としてあります。

【歴史観・政治家の責任】
歴史家マーティン・シャーミン氏の言葉「歴史は権力者の選択肢の積み重ねである」を引用し、偶然にそうなったのではなく(例えば紛争が起こる)権力者のその時その時の判断の積み重ねであるということです。「政治家は一歩も遅くなってはいけない」など、現役政治家の言葉を紹介し、賢い権力行使と平和の維持を訴えられました。